君に出会ったその日から

海斗君が声をかけてきた。
海斗君は雪ちゃんと同じ鉄板のナポリタンを食べていた。さらにその上にはトロトロのチーズがかかっている。チーズ好きの私としてはよだれが出そうな一品だ。
「食べてみたいけど本当にいいの？」
「いいよ。2人みたいにあ〜んしてあげよっか？」
「絶対だめ！」
私が言う前に2人が同時に同じことを言った。
「ふざけるな。お前に茉子のあ〜んなんて一生やらない。」
「そうよ。あんたになんかやらないわ。」
2人の殺気漂う表情に海斗君もさすがに驚いたのか
「冗談だよ冗談。ごめん。もう言わないから。」
「茉子、こんなやつほっておいて私のこれ食べない？」
「うん…ありがとう。」
それでもどうしてもチーズのナポリタンが気になって熱心に見つめていると
「あー分かったよ。そんなに食べたいなら僕がお皿に取ってあげる。」
と言って海斗君の鉄板の半分を取ってしまう。
「ちょっとそんなに取ってく？」
「お前にはこれくらいがちょうどいい。」
「そんなにいらないよ。海斗君に返して。」
「良かったな。優しい茉子ちゃんが助けてくれたぞ。」
「茉子様、天使様。」
そんなことを話しながら私はデザートに大好物の生クリームたっぷりのパンケーキを食べた。
そして個々で支払いをして店を出た。
「そんなに食べて大丈夫？」
「大丈夫だよ。」