君に出会ったその日から

「さぁ着いたよ〜」
「あっそういえば雪ちゃんからスタッフの詳細きてたから今共有するね。」
昨日春希が帰った後、雪ちゃんから心配のメッセージと共に届いていた。
「うん。ありがとう」
そうして2人で教室に向かい、授業を受けた。
今日の授業は少ないので帰る時間も早い。もちろんそれは春希も同じで今朝の話の通り一緒に帰ることになった。
早く帰ってダラダラしたいと考えながら正門に向かっていると見覚えのある人影を見つけ思わず体が固まってしまった。その人影は内藤秋だった。
「あれっ?どうしたの?」
春希が心配そうに声をかけてきたので私は無言であの人がいる方を指差した。
すると春希も指の方向に目線を向け内藤君を発見したようで
「あいつっ…ちょっと行ってくる。」
「待って!行かないで!」
私は春希の腕を掴んで引き留めた。
「大丈夫だからこのまま行こう。」
「でも固まってるじゃん。だから僕が行って追い払ってくる。」
「追い払うって目立つしそんなことしないで。」
「でもっ…」
「いいから。隣にいて。」
「本当に大丈夫?無理しないで良いんだよ。」
「大丈夫!」
「分かったよ…もし何かあったら僕が守るから安心してね。」
「僕がいるってこと忘れないでね!」
「ありがとね。」
そう言ってまた歩き出した。