君に出会ったその日から

私はなるべく早く準備を終わらせて玄関を出てすぐに目が合った。
「準備できた?」
「うん」
「じゃ行こっか。」
隣で歩いている間も春希は気まずそうな迷っているような顔をしていて明らかにいつもと違った。
「どうしたの?」
こちらから聞くと意を決したかのように話し始めた。
「思い出したくない事かもしれないけど昨日の事聞きたくて…ごめん無理に話してほしいわけじゃないから。」
「あぁなんて言ったらいいか分からない。本当に伝え下手で嫌になる。」
「大丈夫だよ。どこから話したらいいんだろ。」
「最初から。あとなんで連絡くれなかったのかも。」
「まずあったらのは本当に偶然で雪ちゃんと押しのガチャガチャ引いてたら話しかけてきたの。」
「動けなくなってでも雪ちゃんが察してくれて守ってくれたから大丈夫だったけどいざ離れたらあの頃のことフラッシュバックして調子悪くなった。」
「春希を呼ばなかったのはサークルのこととかで今忙しそうだし迷惑かけたくなかったから。」
「まーちゃん以上に大切なことなんてないのに!次からは絶対呼んで!」
春希は不満そうな顔をしながら言った。
「あと万が一にもあいつに会ったら困るから今日から通学は必ず一緒に行くから。」
「そんなに心配しなくても良いよ。」
「ダメ!決定事項!」
「分かりました…」
やれやれと思いながらも頷くしかなかった。