星降る夜に、君への贈り物

ー「月影と一緒にいられますように」

書き終えた短冊を笹の葉に吊るす
月影はひとりポケットの中に短冊をしまい込んだ。

「吊るさないの?」と聞けば
「吊るさない」と言ってその場を離れた。

気がつけば夜の21時を迎えたー…

アナウンスが鳴り響く

『これより、21時から七夕祭恒例行事、天の川をご覧頂きたいと思います。ご覧頂く際にはーー…』

「時間だー…」

ボソッと月影が呟く

私の手を握りしめてそのまま人混みの多い中へと
掻き分けるように戻り商店街を後にした。