星降る夜に、君への贈り物

私が小さかった頃、お父さんは接触事故に遭って
そのまま帰らぬ人となった。
あの日、お父さんが優しい笑顔で“行ってきます”と
玄関を開けて出ていく姿が最期になるとは知らずに
私は、今でも思い出す。

「星羅、夕方には出て行くでしょ?それまでにお昼食べて、浴衣の着付けしてあげるから」

優しく微笑むお母さん…

「うん、ありがとう」

私は、お母さんとキッチンへと向かい、お昼の支度をして一緒にお昼ご飯を食べた。

夏定番の冷やし中華に頬が緩む

「お母さん、この冷やし中華、凄く美味しい」

「そう?良かった!少しは元気出た?」

優しい眼差しで私を見つめる。