星降る夜に、君への贈り物

しばらくした後、私はゆっくりと歩きながら
泣き腫らした目のまま帰路に着いた。

ーガチャ

玄関を開けて靴を脱ぐ。

「星羅、おかえり」

背後からお母さんの声が聞こえてゆっくりと振り向く。

「って、どうしたの!その目!?」

「うん…ちょっとね」

お母さんは何も言わずにただじっと見つめたまま
小さく笑みを浮かべて七夕祭の話をした。

「そういえば、星羅。今日は七夕祭に行くって言ってたから浴衣をね、出しておいたよ。」

「ありがとう、お母さん」

「でも、懐かしいわね。星羅が小さかった頃、お父さんが生きていた頃によく一緒に行ってたわよね。」

「そうだね…懐かしい」