シャクシャクと口の中でリンゴの甘さが広がる

「星羅。お母さん、この後仕事なんだけど大丈夫?
もし、体調が悪かったら仕事休むけど」

「ううん。大丈夫だよ!だいぶ良くなってきているから安心して」

そう言って、お母さんを安心させるように
リンゴを頬張りながら笑顔を向けた。

「そう?あまり無理しちゃダメよ」

「ありがとう。お母さんもお仕事頑張ってね」

お母さんはニコッと笑みを浮かべ
おぼんを持ちながら「行ってくるね」と部屋を出て行った。ベットから降りて食べ終えたリンゴのお皿を勉強机の上に置き、椅子を引いて座った。

この間、私の勝手な感情で教室から出て行ったあの日…
教科書や筆箱と机の中にし置き忘れてしまい
後日、夏未と奏が届けに来てくれた。