「うん…」

星の砂時計を握りしめている手が震えてる…
何か言えない事があるのかと
そう思って私は月影の手を優しく重ねた。

俯きながらポツリポツリと月影が呟く

「星羅…俺、本当はこの世界の人間じゃない」

「俺は、天の川を渡ってきた“彦星”なんだ」

思考が停止する

ーえっ…月影が…彦星?

何かがポッカリと穴が開いた

「笑えるだろ?星空からきた人間。俺は彦星で普通の人間とは違う。容姿は人間でも瞳の色が違って周りから化け物みたいだって言われる。
こんな事を聞いたら星羅だってー…」

「そんな事ないよ」

涙が頬を伝うー…

「星羅…?!」

友達にも周りの視線にも月影の根も葉もない事を言われて傷つく形を見るのが悲しかった。
私の知っている月影は凄く優しい人間だったから…

「私…月影の口から話を聞けて嬉しかった」

本音を言えば、心の中で現状を受け止めきれなかった