「深い話は知らないけど、7月7日の七夕の日に天の川が流れて織姫と彦星が会うんだよね。」

「確かにそうだね。ロマンチックだって思うかもしれないけど、でももっと深く話せば七夕のお話はとても悲しいお話なんだよ。」

「えっ…」

ー悲しいお話…?

「星羅、聞いてくれる?七夕のお話」

月影の優しい声と視線が絡み合う。

私達は寝そべっていた体を起こして
月影のひとつひとつの話を聞く事にした。

「織姫は毎日、朝から晩まではたを織る仕事を一生懸命にしていました。働き者の織姫を見たお父さんは「この子に婿を迎えてやろう」と言ってそう思ったお父さんは婿探しを始め、天の川で天の牛の世話をしている彦星という若者を見つけました。