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この時期の下校時は冬の時と比べて遅い方だ。
私は、いつもの通りをただ真っ直ぐに歩く。
昨日、川が流れて草むらが生えている一本道で出会った青年は、握手を交わし感謝を言って、その後何処へ行ったかは知らない。

多分ー…これっきりだろうと思っていたから

静かな一本道を歩き続ける

ー月影さんという人は何者だったんだろう…

ふと考えてた矢先ー…

「星羅っ!」

私の名前を呼ぶ声が聞こえる

私は、ビクリとして名前の呼ぶ方向に目を向けると
大きく手を振っている月影さんの姿があった。

「えっ?!月影さんっ!!」