ーあの笑みは反則ですよ、先生…

ただ私だけが密かに片思いをしているだけで
先生は何も思っていないのは分かっているのに…

そんな思いをしみじみ考えながら
先生の顔を見る事なく
ただ、白い天井を見上げて思いふけていた。

会話ないまま時間が流れ、
いつの間にか先生から「起き上がって下さい」と言われ
私は、ベットから起き上がり
先生を背に向けるように力無くダランとした状態で
最後に両方の肩をマッサージした。

再び顔が顰めっ面《しかめっつら》になる…

真っ正面の方向に鏡があるせいか
遠くから私と先生の姿が映って見える。

「顔が顰めっ面になってますけど…大丈夫ですか?」

私の顔に気がつき背後から先生の声に

私は「大丈夫です。」と笑顔で伝えた。