「佐原さん、こちらへどうぞ」

色んな患者さんと先生方の声がリハビリ室から聞こえる

担当の三輪先生はカルテを持ちマスク越しから
細められた優しい目をして
私はリハビリ室の指定されたベットの方へと向かった

「うつ伏せでお願いします」と先生は言って
私は荷物をカゴに入れて
ベットに座り込み履いていた靴を脱いだ。

先生の指示通りにうつ伏せになって両手を広げながら

ー今日は何を話そうかなぁ…と

頭の中で思い馳せていると
何やらカルテに書き終えた先生の声が呟く。

「よろしくお願いします」

うつ伏せから先生の優しい声がする…