花束をあの青空に

美青side

私の名前は、音海美青。

ごくごく普通の女子大生。

人生で特に困ったこともなく、平凡で普通な日々を送っている。

絢「みーあお!」

今、私のことを「みあお」と呼んできたのは幼馴染の花村絢斗。

だけど、私の名前は、「美青」と書いて「みせい」と読む。

だけど、コイツは「みあお」と呼ぶ。

美「だから!私の名前は、みせいだっつーの!」

良く考えたら、唯一の困りごとは名前かもしれない。

初対面の人に「みせい」と呼んで貰える事が少ないから。

絢「でもさぁ、みあおはみあおじゃん」

美「私の名前で遊ばないでよ!」

優「そうだよー、絢斗は遊び過ぎ」

と、やって来たのは小学生の時からの同級生の鳳優杏。

ゆあちゃんは、初対面で「みせい」と読めた少ない人。

美「ゆあちゃーん、絢斗さんがみあおって言ってくるー」

優「よしよし〜」

この茶番は、絢斗さんがみあおと呼び始めた小学4年生の時からのお決まりになっている。

絢「ちえっ」

やっぱり、お決まりの絢斗さんの舌打ちで誰かがやってきた。

遥「相変わらずだね、あーくんは」