家出少女、拾われる



 「私は、家が、家族が嫌になったんです」

 私は自分のことをすべて告げた。
 ただ、がむしゃらにただ告げた。

 「私の家族は私の実の家族じゃないんです。私は拾われた子供なんです。だから私は家族の中で基本的に、厄介者扱いなんです。私はそれが嫌で、家を出ました。もうこんなの嫌だから。私は愛されたいんです。もう、あの家族にはいたくなかったんです。私がいない方が皆幸せだと思うから」

 そう言うと、私の目から涙がこぼれてきた。

 「お前も、俺と似た感じなんだな」

 そう、微笑む彼。どういう事なんだろう。

 「とりあえず、俺の家にこい。こんなところにいてたら風邪をひいてしまう」
 「あ、はい」

 私は彼について行く。
 確かに思った以上に冷えているようで、はくしょんと、くしゃみをしてしまった。
 うぅ、恥ずかしい。


 「大丈夫だ。すぐに暖かい場所に連れて行くから」

 私が恥ずかしさに悶えていると、
 優しく彼は微笑みかけてくれた。