「それよりも、」彼はむっと私の顔を見てきた。 「なんであんなところで寝ていたんだ?」 「えっと、それは……」 私の事情をすべて話していい物か。この人は信用に足る人物なのだろうか。 見た目はとんでもなく顔が整ったイケメンだけど。 でも、このまま生きるすべを失い、あの家族の元に戻るくらいなら、 藁でも縋る覚悟で、助けを求めたほうがいい。