「おい」 ん、やっぱり地面がざらざらしてる。寝心地は良くないかもしれない。 「おい!」 衣服を持ち上げられた。 なに? いったいなに? 「え、何?」 「人の私有地に寝るな」 「え?」 私有地? ここは公道とかじゃないの? 「逆に私有地じゃないと、なぜ思った? 周りを見てみろ、田んぼじゃないか」 「そ、そうですけど」 「俺の家の私有地は、あそこの田んぼまでだ」 「結構広い……」 これが全部一家の田んぼ、一家の土地だなんて、なんて広いのだろう。