家出少女、拾われる



 「おかえり雫」


 そう、姉である、沙織が話しかけて来た。
 

 喋るの久しぶりなんじゃないかな、と思う。
 そんな彼女に私は一言低い声で、


 「ただいま」と言った。すると、


 「心配していたんだから」


 そう言って姉にも抱きしめられた。
 それもまたわからない。


 冷たくしてたじゃん。
 なんで私のことを心配してたの?
 しかも嘘とは思えない、そんなぐちゃぐちゃの顔で。