「お母さん」
私は一言いう。本当はお母さんなんて呼びたくない。
私のことを見てくれない人なんて――
「元気?」
「うん」
「ごめんね」
あの人は、一言か細い声で言った。
まさかの発言に思わずびっくりしてしまった。
「私は貴方への接し方が分からなくなってしまったの。急に与えられたものだから育て方も分からずに、他の子どもばあk理育ててしまった」
何を言ってるのだろう。
謝ってこられたら、これ以上怒ることできないじゃない。
私のこのやりきれない気持ちはどこに持って行ったらいいのだろうか。
「私は」
呟く。
「私は、どうしたらいいの? 私は貴方のことをどう思ったらいいの? 教えて」
「こんなことを言ったら言い訳になるかもしれないのだけど」
そうあの人は前置きする。
「貴方が立派に自立していたのを見て、変に手を加えるよりは、自由に生きたほうがいいかもしれないって思ったの」
「そんな言い訳聴きたく――」
「いい訳なのは分かってる。もっと愛情を注ぐべきだった。一人でなんでも出来るから気づかなかったわ、あなたが愛情を欲してたなんて」
「……」
だめだ、私は何も言えなくなってしまった。
何を言いたかったのかも、忘れてしまった。
私は、私は、



