家出少女、拾われる


 翌日。
 日の日差しと共に目が覚めた。
 暖かい日差しだ。軽く伸びをして、少し歩く。


 だが、天気と反比例して、
 なんだか、少しだるい。
 


 「お、目が覚めたか」


 リビングに向かうと彼がいた。


 「ニュースですか?」
 「ああ、毎日朝にはこれを見る」
 「なるほど……」

 じっと見る。
 いつもと変りないニュースだ。

 今もまだ私の失踪が大事になってないようで安心する。
 と、同時に、皆私のことを心配に思ってないのかな。
 そう思い、強く前歯を噛んだ。


 もう少し心配して欲しい。

 もちろんそんな理由で家出をしたわけではないのだが。


 「ふう」


 また息を吐く。
 まだなんだか少し気持ちが悪い。

 何もしたくない。そう思えるような気怠さだ。



 「もう少し安め。今のお前は風邪っぽいんだろ」

そう言われハッとする。風邪をひいていてもおかしくはない。
何日も不安な仲歩き続けたんだから。

でも、


 「……なんでそんなに優しくしてくれるんですか?」
 「さあな。でも、昨日も言っただろ、境遇が似ているからさ」
 「はい、ありがとうございます」


 私は頭を下げ、布団に戻った。