「先輩」
私は思わず叫んでしまった。
「どうした?」
そう優しく微笑み返してくれる先輩。
その笑顔、ずるいです。
「私、今日という日が終わりそうなのが嫌です」
私はそう先輩に告げた。
今日が終わったら、次がいつ来るのかすら分からない。
そんな状態なのが今だ。
「先輩、私はずっと先輩が居ない間、寂しい思いをしていたんですよ」
「ああ、知ってる」
「だから私、先輩から離れたくないです。……今日、先輩の家に泊まっていいですか?」
先輩の家は近くだ。
それに今日は土曜。明日は日曜日だ。
ならば何も差支えなどないだろう。
「それはまずい。二人分眠れるスペースなんてない。それに、俺は男だ」
先輩は不真面目なのに、変なところでまじめだ。
「先輩って、童貞ですか?」
「くだらないこと言ってないで次行くぞ?」
これは私の本音なのに。



