「いやあ、すごかったな」
「はい」
コーヒーカップから降り、私達はしばらく歩きだす。
私はそっと、先輩の手をつかんだ。
繫ぎたいと、純粋に思ったから、という事もある。
でも、本音を言うと、先輩に女として見られてないことが悔しかった。
「どうした?」
先輩が反応する。それを聞いて、少し恥ずかしいなと思う。
「いえ、なんとなくはぐれないようにです」
なんていう言い訳をしているのだろうか。小学生でもあるまいし、
はぐれたらはぐれたで、携帯で連絡を取ればいいというのに。
「そ、そうか」
なんだ、この反応は。
「進むか」
先輩は照れ臭そうに言った。
私のことを意識してくれてるのかな。



