連絡した時、君はとても驚いた。
僕が子供たちの結婚に反対すると思っていたんだね。
親に反対された僕たちが子供の結婚に反対するのか?
君はとても嫌がったけど、僕が結婚に反対しないと言ったから、会わざるを得なくなった。
僕たち二人だけで会うことにした。
京都市内のカフェで会うことにした。
僕たちが付き合っていた頃の店はもうなくなっていた。
ネットで調べた初めての店だから、少し早く行った。
昔はいつも、君を待たせていた。
僕が早かったことは少なかった。
でも僕が待つこともあった。
携帯電話なんてない頃に付き合っていた僕たちは、伝言ダイヤルでやりとりをした。
約束もせず、伝言ダイヤルにメッセージを入れて、君を待ったりした。
待っていて僕は、君が足音でわかった。
ずっとずっと昔のことだ。
だから、驚いたんだ。
今日、君を足音でわかるなんて!



