娘から「会って欲しい人がいる」と告げられて、びっくりした。
そんな年齢になっていたのを気づいてなかった。
もう二十八歳になってたんや。
そして、気づいたんだ、僕は今の娘より、六歳も下の君につらい思いをさせたんだね。
でも娘の結婚話で本当に驚いたのは、娘が結婚したいのが君の息子さんだったことだ。
最初からわかっていた訳じゃない。
名字が珍しいから「えっ」って思った。
何気なく質問をして、君の息子だと確信した。
だから、君と連絡を取ろうと考えた。
何人か人を経由して君の連絡先を教えてもらった。
すぐには教えてもらえず、ひどくやっかいだった。
僕は君と話をしないといけないと思った。
若い二人には、僕らのことは関係ない。
いや、関係なくはない。
君の親が聞いたら、どうするんだろう。
僕の親も実は、君との結婚は反対だった。
僕の親はもう逝去している。
僕の考えははっきりしている。
君の息子は好青年と思う。
反対する理由はない。
あの時の僕のように中年に足をかけた男が来たら、僕は反対するのだろうか?



