だから、中年になった君を見たら醒めると思ってた。
嫁が死んでから数年が経って、ネットで君の写真を見た。
偶然と言いたいが、結婚して新しい名前になった君を検索した。
若くない君を見て、醒めるか試して見たくなったんだ。
君は五十歳前。
年より若く見えるが、もちろん、付き合ってた頃の若い君ではない。
あの時は、もう少し目が大きかった。
いや、失礼。
本当に失礼な男だ僕は。
でも、がっかりはしなかった。
愛おしい。
年を重ねた君も愛おしかった。
僕は君の若さと美貌にだけ惚れていたんじゃなかったのか。
君と過ごした時間は……、安らいでいた。
君と話がしたい。



