きみの笑顔が咲く日まで


学校へ行くのも億劫になってしまうくらい、わたしは憔悴しきっていた。

しかし、何とか高校は卒業した。
本当なら、新と一緒に卒業するはずだったのに、、、

わたしは高校卒業後、一般企業に就職し、事務員として働き始めた。

最初は覚えることだらけで何とか気が紛れたが、それも数ヵ月の間だけ。

わたしの心の中にはずっと新が居て、前を向くことが出来ないまま、気付けば10年が経ち、わたしは28歳になっていた。

「新、いってきます。」

二十歳で実家を出て、一人暮らしをするわたしは、出勤する前に必ず高校の入学式の時に新と二人で撮った写真に向かい、そう言っていた。

その写真の前には、中学の卒業式の時に新から貰った第二ボタンを置いていた。

そしてわたしは度々、自分の首元に手を触れる。

わたしはあの日、新からサプライズで貰ったネックレスを今でも肌見放さず身に付けていて、ネックレスに触れる度、あの日の事が鮮明に脳裏に浮かんでくる。

新、、、わたしは、今でもあなたが好き。

あなた以外の人を愛せる自信なんてない。

わたしの中では、時間が止まったままで、この10年の間に他の男性から声を掛けてもらったことはあるが、全て断ってきた。

わたしの心は空っぽで、笑い方も忘れて、ただひたすら仕事をこなすだけの毎日。

生きている心地なんてしなかった。

空を見上げては、何度、新の元に行きたいと思ったかわからない。

それでも、わたしは生きている。

心が死んでも、人間は肉体がある限り生きていかなければならないのだ。