きみの笑顔が咲く日まで


すると、わたしは葵くんの異変に気付いた。

いつもの葵くんとは違い、何か迷っているような深刻なような、それでも耳が赤く染まっていて、照れているのか、、、

わたしはそんな葵くんを見て分かってしまった。

きっと、葵くんは戸惑っているんだ。

交際は始めたけれど、実の兄の元彼女で、、、罪悪感みたいなのものがあるのかもしれない。

わたしばかりが複雑な気でいたけれど、葵くんだって、、、同じだよね。

そう思っていると、わたしは自然と葵くんを抱き締めていた。

「え、、、一花?」

わたしの突然の行動に驚く葵くん。

わたしは葵くんを抱き締めながら、「ごめんね。」と言った。

「え?何が?」
「複雑な気持ちなのは、、、自分だけだと思ってた。でも、葵くんだってそうだよね。"葵って名前を捨ててもいい"だなんて、、、そこまでわたしを思ってくれてたのに、、、わたしは、自分のことばっかりで、、、ごめんなさい。」

わたしがそう言うと、葵くんはそっとわたしを抱き締め返し「謝らないで?傷付いてるのも、複雑な気持ちなのも一緒だよ。それを、、、俺は二人で分かち合っていきたい。」と耳元で囁いた。

「ねぇ、一花、、、」
「ん?」
「、、、キス、してもいい?」

片言にも近い言葉で葵くんはそう言った。

わたしは抱き締められたまま、コクリと頷くと「いいよ。」と返事をした。