「でも、、、仮にだよ?わたしが、、、葵くんと付き合ったとして、わたしが幸せになったとしても、葵くんは、、、幸せになれないじゃない。」
わたしが涙声でそう言うと、葵くんはわたしの手をギュッと握り締め、首を横に振った。
「そんなことはない。一花の幸せは、俺の幸せだから。それがどんな形だったとしても、俺はそばに一花が居て、笑ってくれているだけで、幸せなんだ。」
葵くんのその言葉を聞いて思い出した。
おじさんが言っていた"新も一花ちゃんの幸せを願ってると思うよ"という言葉。
新、、、いいの?
わたしだけ、幸せになっていいの?
わたしは、、、どうしても、葵くんを犠牲にしてまで幸せになりたいと思わない。
新、、、わたし、どうしたらいいんだろう。
「実はさ、兄貴が事故に遭う前日、突然兄貴が"俺にもしものことがあったら、一花を頼むな"って頼まれてたんだ。」
「え、、、新が?」
「うん、不思議だよなぁ、、、。まるで事故に遭うことを予知してたかのようで。その時、俺は強がって"何言ってんだよ!兄貴が一花を幸せにするんだろ?"なんて言ったけど、次の日あんなことになるなんて、、、誰も想像出来なかったよな。だから、俺が兄貴の代わりに一花を守るって決めたんだ。」
新、、、あなたはそこまでして、わたしの幸せを願ってくれていたの?
わたしが新の立場なら、そんなこと言えない。
我儘だけど、ずっと、、、自分だけを愛していてほしいと思ってしまう。
でも、新らしいなぁ、、、
だから、そんな新のことをわたしは好きになったんだ。
そして、わたしは葵くんの言葉を聞き、「わかった、、、でも、一つだけ約束して欲しいことがあるの。」と言った。
わたしの言葉に葵くんは、大きく目を見開き「えっ?!何?!」と言った。
それからわたしは、葵くんにたった一つのお願いをした。
「わたしより、先に死なないでくれる?わたしを一人にしないで?」



