すると、おじさんの"みんな揃う"と言う言葉にハッとするわたし。
わたしは葵くんに「新は?手合わせたい。」と言った。
葵くんはソファーから立ち上がると「こっちだよ。」と言い、リビングを出ですぐ目の前にあった和室のドアを横に引くと、「どうぞ。」と和室の奥にある立派な仏壇に向けて手を指した。
わたしは仏壇を見つめながら、ゆっくりとゆっくりと新に近付いて行った。
すると、そこには笑顔の新の写真があって、わたしは仏壇の前に正座をすると鈴を鳴らし、手を合わせて目を閉じた。
新、、、久しぶり。
ずっと会いに来れなくてごめんなさい。
わたしは、、、まだ新に会いに来られる自信がなかった。
誰にも新との話も出来ず、悲しみを分かち合ってくれる人も居なくて、一人心の中で新との思い出を繰り返し思い出しては泣くことしか出来なかった。
でも、おじさんが再会をする機会をくれた。
悲しみを分かち合える人たちにまた出会えた。
それがわたしにとって、少しばかりの救いになったのかもしれない。
すると、仏壇の横の棚に写真が飾られて居たことに気付く。
「あ、、、これ。」
わたしはその写真を手に取った。
「それ、兄貴が一番大切にしてた写真なんだ。あんなんでも恥ずかしがり屋だった兄貴が唯一飾ってた写真。」
葵くんの言葉にわたしは涙を溢した。
だって、その写真はわたしが飾っている写真と同じく、入学式で二人で撮った思い出の写真だったのだから。



