きみの笑顔が咲く日まで


一時的な繁忙期が過ぎ、定時前から帰り支度を始める人たち。

わたしも今日は、資料が行方不明にはなった事件以外は焦らずに業務を遂行させることが出来た為、早めに帰り支度をしていた。

そして定時丁度になると、みんな一斉に立ち上がり「お疲れ様ー!」「お疲れー!」と帰って行く。

すると、席から立ち上がった杉浦主任は「楠木。」と、わたしを呼んだ。

「はい。」
「大丈夫か?」
「あ、大丈夫です!こうゆうの慣れてるんで!」
「慣れてる?」
「わたし、、、昔からなんです。本当は人見知りで、何なら誰とも口を聞かなくても平気なくらいで。でも社会人になって、それじゃあダメだよな〜って思って、、、それでみんなとコミニュケーションを取ろうと頑張ってるんですけど、どうもそれが極端になりすぎちゃうんですよね。中間が分からないというか、、、、。それが人によっては不快な思いをさせてしまって、、、だから嫌われることには慣れてるので大丈夫です!」

わたしは明るい口調でそう言ったつもりだったが、杉浦主任はそんなわたしの話を切なげな表情で聞いていた。

「楠木は努力家だよなぁ。だからといって、自分頑張ってるアピールもしないし、、、楠木の爪の垢を煎じて佐島に飲ませてやりたいくらいだよ。」
「えっ?!」

驚くわたしに杉浦主任はハハッと笑うと、「まぁ、気にするな。楠木は何も悪くないんだから。佐島はあーゆうタイプの人間だから、佐島が原因で辞めていった人たちを今まで何人も見てきてる。でも商品部のみんなは楠木の味方だよ、もちろん俺も。」言い、「じゃあ、お疲れさん。」と杉浦主任はわたしの肩をポンッと叩くと、バッグを片手に帰って行った。

そこで気付いたのだが、商品部の入口に葵くんが立っているのが見えた。

わたしは「あっ。」とバッグを肩に掛けると、急いで葵くんの元へ駆け寄って行った。

「お疲れ様!」

わたしがそう言うと、葵くんは何だか複雑な表情をしながらも微かに微笑み「お疲れ。」と言った。