きみの笑顔が咲く日まで


すると、杉浦主任は椅子から立ち上がると「社長に報告して来る。」と言い、真剣な表情で商品部から出て行った。

そんな杉浦主任の姿を見た横浜さんは「杉浦主任があんなに怒ってる姿、久々に見た。」と言った。

「え?杉浦主任、怒ってたんですか?わたしには真顔にしか見えませんでしたけど、、、」
「杉浦主任、表情には出にくいけど、あれはかなり怒ってるね。楠木さんは杉浦主任だけじゃなくて、他の部署の人たちからも人気あるし評価高いから、かなり信頼されているし、それを邪魔する人がいるのが許せないんじゃないかな。」

横浜さんの言葉にわたしは杉浦主任が"怒っている"ことを知る。

社長に報告して来るって言ってたけど、、、どうなるんだろう。

それから杉浦主任は、一時間は商品部に戻って来る事はなく、わたしがいつも通り仕事をしている時、「楠木さん!」と呼ばれ、ハッとした。

その声に振り返ると、商品部の入口には"おじさん"こと渡利社長と杉浦主任の姿があった。

「ちょっといいかい?」
「あ、はい。」

そう返事して、おじさんの元へ駆け寄る。

おじさんはわたしを見ると、申し訳なさそうな表情を浮かべ「また一花ちゃんには、嫌な思いをさせてしまったね。杉浦くんから全て聞いたよ。」と言ってくださった。

「これから営業部へ行くから、ついてきてくれるかい?」

おじさんの言葉にわたしは、「はい。」と返事をすると、社長、杉浦主任のあとに続き、営業部へと向かった。

「失礼するよ。」

そう言って、営業部に入って行くおじさん。

そのあとに杉浦主任、それからわたしも営業部の事務所へと入った。

おじさんは営業部の事務所全体に聞こえるように「今朝、商品部で問題が起きた。周りのみんなの協力で何とか無事に処理は済んだが、その問題にこの営業部の人間が関わっているようなんだよ。」と声を張って言った。

すると、営業部内のみんながざわつき始める。

そこで席に立ったのは葵くんで、葵くんは血相を変えておじさんに近付いて来ると「何があったの?」と訊いた。

「楠木さんが朝イチで送る為に作っていたデータが削除されていたんだよ。」

おじさんの言葉に、「えっ?!」と驚く葵くんは真っ先に佐島さんの方を見た。

佐島さんは"わたしには関係ない"というような表情でパソコンに向かっていた。