きみの笑顔が咲く日まで


久しぶりにゆっくり過ごす葵くんとの時間は楽しかった。

それは、葵くんと一緒に居られる時間が楽しいのか、新だと錯覚する葵くんとの時間が楽しいのか、自分でも分からなかった。

でも、ただただその時間は、素直に楽しめることが出来た。


そして、次の朝。

私は出勤すると、朝イチで取引先にメールを送る為にパソコンを開いた。

しかし、その画面を見てわたしは愕然とした。

「え、、、何で?」

わたしの様子に気付いた杉浦主任が「どうしたの?」と声を掛けてくれる。

「昨日、朝イチで送る準備していた発注書とメールが削除されているんです、、、」
「えっ?!」

杉浦主任は慌てた様子で「ちょっといい?」と言い、わたしのデスクの椅子に座り、パソコンをいじり始めた。

しかし、杉浦主任が確認しても発注書のデータもメールも削除されており、杉浦主任は椅子の背もたれにもたれ掛かりながら「何でだ?」と驚いていた様子で言った。

「昨日、帰りギリギリまで作成してたよな?」
「はい、、、」

落ち込む様子のわたしを見た杉浦主任は「メール送信までまだ30分ある。何とかしよう。横浜!手伝ってくれるか?!」と言い、横浜さんも「はい!もちろん!」と返事をし、杉浦主任と横浜さんの手助けのおかげで何とかメール送信までには間に合い、無事に何事もなく処理することが出来たのだった。

「はぁ、、、良かったぁ。」

椅子の背もたれに寄りかかり安堵の言葉を漏らす杉浦主任。

「本当にありがとうございました!横浜さんもありがとうございます!助かりました!」

わたしが深く頭を下げそう言うと、杉浦主任は「いや、楠木が定時ギリギリまで仕事をしていたのは俺が見てるし、楠木のせいじゃないよ。」と言い、横浜さんは「まさか、、、またあの人の仕業じゃないですか?」とコソッと言った。

"あの人"、、、

その言葉にわたしの脳裏に浮かんだのさ、佐島さんの顔だった。