きみの笑顔が咲く日まで


それからわたしは、一日でも早く杉浦主任の仕事の邪魔にならないようにする為、毎日業務を覚えるのに必死だった。

段々と一人でも何とか業務を処理出来るようになってきたのは、入社から二週間経ったくらいの時で、杉浦主任には「さすが覚え早いね。社長が取引先から引き抜いてきた人なだけある。」と褒めていただいた。

そんな時、商品部内のある取引先担当であるチームの一人が「うわっ!やばっ!」と慌て始めた。

周りの人たちが「どうしたの?」と彼の周りに集まる。

どうやら、取引先の発注書のデータが消えてしまったようだ。

「パソコンがフリーズして、再起動したらデータが消えてたんだよ!どうしよ!」

データを消してしまった彼自身が一番焦っていたが、周りのチームの人たちも「どうしよう、、、」と頭を悩ませていた。

確か、あのチームの人たちの担当って、わたしが以前働いていた大東だったような、、、

そう思い、わたしは席を立つと、パソコンを前に頭を抱える彼に「あのぉ、すいません。」と声を掛けた。

「えっ?」
「確か、、、大東の担当さんですよね?」
「あ、あぁ、、、そうだけど。」
「わたし、ここの会社にくる前は大東で働いていたんです。もし宜しければ、パソコン見せていただいてもいいですか?」

わたしがそう言うと、その彼は「あ、頼むよ!」と早々に席を立ち、わたしにパソコンを託してくれた。

「失礼します。」

わたしはそう言ってデスクにつかせてもらうと、パソコンをいじり、データの復元を試みた。

そして、最後にエンターボタンを押すと、元のデータが画面に表れて、復元に成功したのだ。

「わぁ!すげぇ!ありがとう!楠木さん!」
「いえ、お役に立てて良かったです。」

その一見から、わたしは商品部の人たちと少しずつ打ち解けていき、仕事面でも信頼してもらえるようになってきたのだった。