きみの笑顔が咲く日まで


おじさんは、社長室のドアを大きく開くと「さぁ、入って。」と言った。

「はい、失礼致します。」

そう言って、社長室の入口前に立つと、わたしは社長室の中を見て、ある意味で驚いた。

そこは社長室であるはずなのに、全く堅苦しさの雰囲気もないお洒落なオフィスのようで、そこにはおじさんの人柄が表れている気がした。

「さぁ、座って座って。」

そう言ってアイボリーの合皮ソファーに腰を掛けるおじさんは、ソファーと対面になるように置いてある大きなテレビの電源をつけた。

わたしは「失礼します。」と、おじさんの隣に一人分くらいの間隔を空けて座った。

すると、おじさんは「久しぶりにマキカやらないかい?」と言い出したのだ。

「えっ?!社長、今仕事中では、、、」
「周りに社員たちが居ない時は"おじさん"でいいよ。それに仕事ばかりだと疲れてしまう。適度に息抜きも必要だよ?初日なんだから、緊張しながら出社して来ただろ?」

おじさんはそう言うと、ゲーム機のスイッチを入れた。

久しぶりに見るマキカの画面。

おじさんは「はい、これ。」と、わたしにコントローラーを手渡した。

わたしはコントローラーを手に持ち、懐かしく感じた。

よくみんなでゲームして遊んだなぁ。

大人げもなく手加減しないおじさんに、なかなか上位に上がれず不貞腐れていた葵くん。

それから、いつもわたしの隣に居た新、、、

すると、コンコンッと社長室のドアがノックされた。

そしてドアが開き、そこから姿を現したのは、新にそっくりな葵くんだった。