きみの笑顔が咲く日まで


そのあとは、途中にある社員食堂や化粧室、応接室や会議室も案内してくださり、次に販促課、企画部、最後に営業部の事務所を案内してくれた。

「ここが営業部。営業さんたちは、外回りが多いから全員揃っていることはまずない。」

そう説明を受け、営業部の事務所内を見渡していると、わたしはある一人の男性と目が合った。

「え、、、」

その男性はわたしを見て驚いた表情をして立っていた。

「、、、新?」

わたしをそう呟き、わたしを見つめそこに立っていた男性を見て、涙が溢れてきてしまった。

それに気付いた杉浦主任は「楠木さん?どうしたの?」と言った。

しかし、その言葉に返す言葉が見つからず、わたしは立ち尽くしたまま新を見つめていた。

すると、新は急ぎ足でわたしの元へ近付いてきた。

しかし、彼が近付いて気付いた。

あ、、、新じゃない。
新の右目の下には小さなホクロがポツンとあった。

でも、新にそっくりな彼には、そのホクロがなかった。

それでも、そのホクロがないだけで、髪型も身長も体型も柔らかい表情もその他全ては新と全く同じだった。

すると、その男性はわたしの目の前まで来ると、「、、、一花?」と言った。

その声にわたしは更に涙が溢れてきそうになった。

声も新そのものだったのだ。

「久しぶり。俺だよ、葵だよ。」
「え、、、葵くん?」

その男性は、新に瓜二つな葵くんだった。

あんなに小さかった葵くんが、こんな立派に成長していた事に驚くと共に、あまりにも新に似過ぎていて、わたしは少し戸惑ってしまった。