真夏の一夜は恋の始まり

「そっちこそ今日恵美ちゃんに言い寄られてまんざらでもなさそうだったじゃないですか?鼻の下伸ばして嬉しそうでしたよ?」
やっぱり男の人ですね。と言ってちょっと口を尖ろせてみた

「別に嬉しそうにしてないし。鼻の下も伸ばしてないし。あっちがずっとくっついてくるから、仕方なしに一緒にいただけです」
そうですか。と私は言ったけど、私はちょっと嬉しかった

「そう言えば、長内さん途中でいなくなっちゃったけどどこ行ってたんですか?」
そう言えばそれで私大きい石にぶつかって足を挫いたんだった

「あっ、あれは離れるためにトイレ行くって嘘ついてばっくれてただけです。そうじゃないと離れられなかったので」
あー成程。それでと言って私達は笑って話した

あっ、笑った。笑った顔初めてみたかも
良かった。いつもより場の空気も和んだかも
いつもみたいにギクシャクしたり、緊張したりしなくなった

それから私達はいつになく色々話した

長内さんの実家は九州にあるらしい
大学からこっちに出てきて、それからはこっちにいるらしい
男3人兄弟の長男だから、女子の扱いは慣れていないとのことだった