真夏の一夜は恋の始まり

「ハハハ。あーそれは明らかに単にヤキモチだね」
歩美はもう笑うしかないと言って半ば呆れている

「笑い事じゃないよ。ヤキモチってでも長内さん関係ないって言ってたし」
ん?ヤキモチってそんな事あるの?
私なんか妬かれることしたっけ?

「だからそれは、単に素直に妬いてますっていえないだけだって。第一何とも思ってない人のこと気にする訳ないでしょ?」
んー。そうなのだろうか?
百歩譲って私に妬いてるとして、何でだ?何で?
「そうなのかな?でも何で長内さんが私にヤキモチ妬くんだろう?私はどちらかと言うと嫌われてるんじゃないかと思うんだけど?」
そうだよね?だって私といると長内さんはいつも不機嫌そうだし?
殆ど何も喋らないし?

「鈍さもここまでくると天然だね。あんたらは素直に告白できなくてつい反対のことを言っていがみ合ってしまう中学生か?!いいからお互い素直に気持ちを告白し合ってとっととくっつきなさいよ」
まあお互い恋愛レベルが中学生並だから、きっかけがないとダメかもね
そう言って歩美は深い溜息をついている