真夏の一夜は恋の始まり

私の家に着くまで私達は一言も言葉を交わさず、終始無言で帰った

「うち、ここなんで。送っていただいて有難うございました」
私は一礼してお礼を言い、「あっ、はい。では」と言って長内さんは帰って行った

あーあ。何でこうなっちゃうの?
私はただ、いつも助けてくれるお礼とか、本当の気持ちとか、素直にちゃんと打ち明けたいだけなのに
俺には関係ないって言われてるし、私もうこの気持ち諦めた方がいいのかも
私は長内さんとの噛み合わないこの思いに、泣きたい気持ちになるのだった


〜長内side〜

「私はそんなつもりはなくて、これは事故みたいなものなので」
あの夏の日そう言われて俺は花凛に振られ、それを忘れたくてより訓練に励んだ
宮内さんから「あの後どうなった?」と聞かれたが、別に何もありませんでしたと嘘をついた
一日消防訓練で偶然出会ってしまい、俺は動揺した
でも、同僚には知らない人ですと答えた
振られた相手ですとは恥ずかしくて言えないからだ
花凛も最初だけでもう気にしていないようだ
俺は忘れ去られた存在なんだろうなと仕事に専念する事にした