真夏の一夜は恋の始まり

そんな様子を悟ってか、「まあまあみんなで仲良く飲もうよ」と宮内さんは気を遣っている

空気読まない系の宮内さんだが、長内さんと2人にされるよりは、場の空気が和んだ

宮内さんは「花凛ちゃんはどこに住んでるの?」とか、「職場がたまたま隣町って奇遇だね」とか、会話を盛り上げようと色々質問してくれた

因みに私は職場がある隣町で弟と二人暮らしをしている
弟の稔は四つ下の22だ
来年3月には大学を卒業し、4月から一般企業に就職が決まっている
私達の母親は、私が高校生の時に病気を患って亡くなった
私が17の時だ
父は中学の教師をしていたが、多忙で家のことは殆ど私がやっていた
弟の面倒も私が見ていたので、弟は私に頭が上がらないのだ
実家は隣の県だが、私は都内に就職が決まって3年目に、弟と都内で暮らし始めた
丁度弟も大学が都内という理由で高校卒業後一緒に住む事になり、それからは姉弟で二人暮らしをしている
弟曰く父にそうしろと言われたとの事だ
一人暮らしは何かと物騒なので、番犬がわりになって意外と助かっているのが現状だ
父は実家で一人暮らしだが、再婚もせずに1人で暮らしている
そんなに遠いわけではないので、実家には割とちょこちょこと帰り、父親の身の周りの世話をするようにしていた

宮内さんには「結構苦労人なんだね。花凛ちゃん」と感心されたが、確かに遊びたい高校時代に家事をする事は大変だったが、何不自由なく父親には短大まで出してもらい、特に苦労したとは思っていない

長内さんは職場の単身寮に入っているようだ
仕事柄宿直とかがある為、泊まり込みも多く、寮には帰ったり帰らなかったりとの事だった
宮内さんは何と27だけどバツイチで、元嫁との間に2人子供がいるらしい
親権は奥さんが持っていて、養育費を毎月払っているらしい
宮内さんは消防署の近くで1人で暮らしているとの事だった