嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 履歴に智明からの着信が残っている。どうやら病院にいて気づかなかったらしい。
 急ぎの用事だろうか。でももし、親戚関係でなにかあったら自分ではなく実家の父に連絡がいくはず。
 かけ直して彼の声を聞くのはどうしても気が進まない。美琴は、とりあえずこのままにしておくことにする。

(遥臣さんにも報告した方がいいんだろうけど、今日はやめておこう)

 遥臣からは智明から接触があったら相談するように言われていたが、疲れているところを煩わせたくない。

(うん、またかかってくるようだったら相談してみよう)

 そう決めた美琴は、気持ちを切り替えるためにソファーに腰かけ、タブレットを開いた。

 今日チェックするのはお笑い動画ではなく、就職や資格に関係する情報だ。

(離婚後どうするか、今からしっかり考えておかなきゃ)

 場合によっては共働きという形で結婚中に仕事を始めてもいいかもしれない。もちろん遥臣に相談してからだが。

(お父さんもお母さんも、仕送りはしないでいいって言ってくれてるけど、このまま続けたいな)