嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

(遥臣さん、ちょっと元気なさそうだったけど大丈夫かな……)

 玄関で出迎えたときから遥臣の表情が冴えなかったような。普通に受け答えはしてくれるし、夕食もしっかり食べてくれたのだが、なんとなく雰囲気が重い気がした。

(緊急手術とか、疲れる仕事があったのかな。とにかくお風呂から出たらゆっくり休んでもらおう)

 そんなことを考えていると、ダイニングテーブルに置いたスマートフォンが着信で震え出した。取ろうとした美琴の指先は画面に“篠宮智明”と表示されているのを見てビクリと止まる。

(……いまさら、なんだろう)

 遥臣と結婚してから智明からの連絡は途絶えていたのに。出たくない気持ちが先立ち、場面を凝視したまままじっとしてしまう。
 しばらくすると着信が止んだ。
 
 大きく溜息をついた美琴は恐る恐る着信画面を確認する。

(え、昼にもかかってきてたんだ)