祖父は一代で事業を成功させ財を成した経営者で、祖母は篠宮家という旧華族の血を引き商事会社を営む名家の出身だった。
誰もがうらやむような裕福な上流家庭に美琴は生まれた。
6歳差の妹と9歳差の弟との三人兄弟。長女の美琴はかなり甘やかされて育った。
特に祖母は美琴をかわいがり、欲しいものは何でも買い与えてくれた。
美琴は物おぼえがよく賢いと褒められたし、割とはっきりした顔立ちだったため、かわいいと持ち上げられた。その結果、見事に自意識過剰な子どもに育った。
小中学校では常に周りに人がいてちやほやされていたし、自分はそうされるだけの価値のある人間だと思って憚らなかった。環境とは恐ろしい。
そんな美琴に婚約者ができたのは小学三年生。相手は横浜を中心に、いくつもの病院経営を行う瀬戸家の長男、遥臣だった。お互いの祖父が決めた政略結婚だ。
初めて会ったとき、遥臣は『美琴ちゃん、よろしくね』と優しく笑いかけてくれた。
誰もがうらやむような裕福な上流家庭に美琴は生まれた。
6歳差の妹と9歳差の弟との三人兄弟。長女の美琴はかなり甘やかされて育った。
特に祖母は美琴をかわいがり、欲しいものは何でも買い与えてくれた。
美琴は物おぼえがよく賢いと褒められたし、割とはっきりした顔立ちだったため、かわいいと持ち上げられた。その結果、見事に自意識過剰な子どもに育った。
小中学校では常に周りに人がいてちやほやされていたし、自分はそうされるだけの価値のある人間だと思って憚らなかった。環境とは恐ろしい。
そんな美琴に婚約者ができたのは小学三年生。相手は横浜を中心に、いくつもの病院経営を行う瀬戸家の長男、遥臣だった。お互いの祖父が決めた政略結婚だ。
初めて会ったとき、遥臣は『美琴ちゃん、よろしくね』と優しく笑いかけてくれた。



