嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 笑みを深める遥臣。指は自然に絡まり恋人繋ぎに。恥ずかしいけれど掌から伝わる温もりが優しくて、美琴が遠慮がちに握り返した。そのときだった。

「あれ、もしかして瀬戸君?」

 声を上げた女性がこちらに速足で近づいてくるのが見えた。

(あ、あの人……もしかして……!)

 美琴は息をのみ、ヒュッと背筋を伸ばす。

「三田さん、久しぶり」

 遥臣は彼女に笑顔を向けた。苗字は覚えていなかったし、髪の毛も短くなっているような気がするが、間違いない。

――『あら、むしろ私の方が遥臣さんに合わせてあげているくらいなのに。そんなに悔しいのなら、あなたも私と同じレベルまで上がればいいのでは?』

 7年前この学園祭で突っかかられて、美琴がそう言ってぶった切った相手だ。

「本当に懐かしいわね。アメリカに行ってるって聞いてたけど」

「去年戻ってきて、今は南田国際にいる。三田さんは?」

「付属病院の内科にいるわ。今日は学園祭だから顔出しに来たんだけど……あれ、あなた」

 三田の視線が美琴に向いた。

「妻の美琴。最近結婚したんだ」