嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 噛んだ途端熱々の中身が出てきて、火傷しそうなほどの熱さに腰を浮かす。

「これ飲んで」

 さっと差し出されたペットボトルの水を慌てて受け取り、口に含む。

「大丈夫?」

「す、すみまひぇん……だいじょうぶ、れす」

 なんとかたこ焼きを飲み込んだ美琴は、心配してくれる遥臣に涙目のまま作り笑顔を向けた。

(さっき熱々だって言われたじゃない。私、ひとりでなにやってるんだろ)

「……これはいろいろ、まいったな」

 ため息交じりの声が聞こえ、己の情けなさに穴を掘って埋まりたくなってくる。

「いい大人なのにって呆れてますよね、気をつけます」

 本来自分はこんなバタバタするタイプの人間ではないはずなのだが、最近遥臣と一緒にいるとなぜか落ち着かなくなるのだ。

「呆れてなんかいないよ、むしろ……」

 遥臣はなにかを言いかけてやめた。代わりに長い指先が美琴の下唇に触れる。ひんやりとした感覚と同時に彼の顔が近づいてくる。

「遥臣さん?」

「もう、熱くない?」

 至近距離でささやかれ、鼓動が跳ねる。心配してくれているだけのはずなのに、声と視線がやけに甘いような気がするのは気のせいだろうか。