嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 美琴も無難なラウンドネックのカットソーにニット素材のボタンダウンスカート、キルティングコートのラフなコーディネイトだが、彼とは洗練度が違う。

「すれ違う女性たち、みんな遥臣さんを目で追ってましたから。今日の遥臣さん、いつもに増してかっこよくて素敵だから、気持ちもわかりますけど……あ」

(な、なに勢いあまって余計なことまで言ってるの私……!)

 いつもに増してかっこいいなどと、基本的にかっこいいと思っていると思われてしまう。事実そうなのだが、わざわざ言う必要はない。急に恥ずかしくなり顔に熱が集まってくる。

(でも、遥臣さんは今までかっこいいと言われ続けてきた人生だったろうから慣れているだろうし、今さら私に言われたって……)

 恐る恐る隣の様子を窺い、美琴は目を丸くした。遥臣は困ったような顔でこちらを見つめていたのだ。しかもなぜか少し耳が赤いような。

「た、たこ焼きを、いただきましょう! おいしそうです」

 美琴はいたたまれない雰囲気をなんとかしたくて、わざとらしく声を上げ楊枝でたこ焼きを刺した。

「あっ、美琴」

 遥臣に声を掛けられたのは勢いよく口に放り込んだ後。

「あふっ!」