嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 遥臣は自分の顔面の良さを最大限に利用していた。整いすぎた顔を照れたように緩めながら話されたら誰も口から出まかせをいっているなんて思わない。

『私がキューピッド……?』

 彼の思惑通り、陽菜は好奇心と乙女心で瞳をキラキラさせていた。

『でも、再会してすぐ結婚したなんて言うと早すぎるって怒る大人がいるから、ここで久しぶりに会ったのは看護師さんたちには黙っていてほしいんだ。いいかな?』

『うん、わかった。絶対言わない。はー、マンガみたい! みこっちおめでとう!』

『あ、ありがとうね、陽菜ちゃん……』

(遥臣さん、さすがすぎる……)

 プロポーズの言葉や、結婚式はどうするかなど、昔の芸能リポーター並みの質問攻めにあったが、遥臣はボロが出そうな美琴にはほとんどしゃべらせずにすべてうまくごまかしてくれた。

 そして結婚後も美琴は何食わぬ顔で今まで通りのペースで陽菜の元を通っている。夫の担当患者の学習指導を引き受けている形だ。

「さ、今日は英語です」

「はーい」

 元気よく返事をした陽菜とテキストを進めていく。やはり彼女は優秀で難しい長文問題もこなしていく。