授業料を支払うと申し出たのに、美琴がお見舞いがてらの短時間だからと遠慮したから気にしているのかもしれない。
「いえいえ、私も陽菜ちゃんに会えるのが楽しみなので気にしないでください。元々陽菜ちゃん優秀ですし、授業ってほどのことはできていませんから」
「パパ、みこっちの説明、すごくわかりやすいんだよ!」
陽菜が声を弾ませると、彼は慌てて娘を嗜める。
「こら陽菜、ちゃんと平林先生と呼びなさい」
「えーいまさら無理―、みこっちはみこっちだもん」
「まったく、お前は……先生、すみません」
困った顔をしているものの、彼の優しげな瞳からは娘を大事にしている気持ちが伝わってくる。親子の仲睦まじいやりとりに美琴も笑顔になる。
「ふふ、いいんですよ。もう私は先生じゃないですし、陽菜ちゃんの友達として勉強を教えてるだけですから」
「ありがとうございます……あ」
頭を下げた陽菜の父は、なにかに気づいたようにスマートフォンを取り出した。
メッセージを受信したらしく、画面をチェックするとため息をつき、申し訳なさそうな顔になった。
「陽菜、すまない。会社でトラブルが起こって呼び出されてしまった」
「いえいえ、私も陽菜ちゃんに会えるのが楽しみなので気にしないでください。元々陽菜ちゃん優秀ですし、授業ってほどのことはできていませんから」
「パパ、みこっちの説明、すごくわかりやすいんだよ!」
陽菜が声を弾ませると、彼は慌てて娘を嗜める。
「こら陽菜、ちゃんと平林先生と呼びなさい」
「えーいまさら無理―、みこっちはみこっちだもん」
「まったく、お前は……先生、すみません」
困った顔をしているものの、彼の優しげな瞳からは娘を大事にしている気持ちが伝わってくる。親子の仲睦まじいやりとりに美琴も笑顔になる。
「ふふ、いいんですよ。もう私は先生じゃないですし、陽菜ちゃんの友達として勉強を教えてるだけですから」
「ありがとうございます……あ」
頭を下げた陽菜の父は、なにかに気づいたようにスマートフォンを取り出した。
メッセージを受信したらしく、画面をチェックするとため息をつき、申し訳なさそうな顔になった。
「陽菜、すまない。会社でトラブルが起こって呼び出されてしまった」



