嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

「えっ、経験者で手先が神の脳外科医の遥臣さんに勝てるわけがない! ちなみに罰ゲームとは」

「負けた方が勝った方にキスをする。いつもより濃厚なやつ」

「濃厚って……」

「勝っても負けても君とキスができるなんていい考えだ。でも、たまには君からもらいたいから本気を出すよ」

 いつのまにか彼の術中にはまっている。おそらく美琴は負けが確定だ。

「私からは、さすがにハードルが高いです」

「いつも俺がしてるのを思い出せばできるよ。昨日もたくさんキスしただろう」

 日々夫に愛でられている美琴は、昨夜のベッドでの行為を思い出しボフンと頭から湯気を出す。

「赤くなって、俺の奥さんは本当にかわいいな」

 余裕な遥臣に美琴は頬を熱くしたまま最後の抵抗をする。

「勝負はやってみるまでわかりませんよ。私、実はたこ焼きづくりの天才かもしれないし」

「いいね、そういう前向きなところも好きだよ」

 遥臣はゆったり目を細め、甘い笑みを浮かべる。

 美琴を誰よりも愛してくれる最愛の夫の笑顔は穏やかで、もうちっとも胡散臭いだなんて思わなかった。