嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 ダブルサイズのこのベッドでも充分大きい気がするが、柔らかい明かりに照らされた彼の艶やかな笑みにあてられて、言葉が出てこない。

「……いい?」

 遥臣の掌が美琴の頬を撫でる。最終確認をされたところで、美琴はおずおずと口を開いた。

「あの、今更ですが、私、こういった経験がまったく無くて……」

 27歳にもなって恥ずかしいことこの上無いが、事前に伝えておいた方がいい気がした。

「まったくって、キスも?」

 少し目を見開いた遥臣に美琴はうなずく。

「キスも、抱きしめられるのも……好きになったのも遥臣さんが初めてなんです。だから……遥臣さん?」

 いつのまにか遥臣は美琴の肩口に顔を埋めていた。

「……そうか、ぜんぶ初めてで、俺だけなんだ」

 首元でくぐもった声がしてくすぐったい。どうしたらいいか分からず、美琴は彼のまだ水気の残る髪を撫でた。すると、頭がゆっくり持ち上がる。

「優しくできるように、なるべく努力する」

「はい……」

 蕩けるような笑顔を向けられ、ホッとする。遥臣はすぐに唇を重ねてきた。

「……ふっ……ん」