嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 両親の驚愕の視線が美琴に突き刺さる。
 遥臣は嘘は言っていない。端折りすぎてはいるけれど。

「えぇと、はい。一緒に住んでいます……」

 ここまできたら誤魔化しきれない。浮かせた腰をおずおず下ろし小さくなるしかなかった。
 父は硬直し、母は「まあ」と声を上げた。

「美琴、君はきっと誤解している。ちゃんと説明させてくれ。でもこれだけは知ってほしい」

 遥臣は美琴を真っすぐ見つめた。

「俺は、君を愛している」

 美琴は息をのみ、彼の整った顔を言葉なく見つめ返す。吸い込まれそうなほど綺麗な瞳の中には不安や焦りの色が揺れて見えた。

 急に実家におしかけて、本人になんの確認もなく両親に結婚の許可を得ようとするし、一緒に住んでいるのをバラした挙句、『愛している』なんて。

 ぜんぶおかしい。常に余裕で、なにに対しても卒なくこなす彼がすることとは思えない……でも。

(遥臣さんは、私を愛してくれている……)

 言葉の意味をじわじわと脳が理解し始める。

 同時に、鼓動も速くなっていく。

「あの……私……」

 感情が処理しきれずにいる美琴をチラリと見て、父がわざとらしい咳払いをした。