嫌われているはずが、まさかの溺愛で脳外科医の尽くされ妻になりまして

 両親が腰を抜かすであろう事実は口にしないことにする。母も「もう、気をつけなさいよ」と納得してくれた。

「お姉さん、今日は私の部屋で寝ようね! いろいろ聞きたいことがあるし」

 妹の優奈がお皿を運びながら声を掛けてくる。

「いいわよ。就活のこと?」

 優奈は今大学三年生だ。そろそろ本格的に就職活動を考えているのだろう。そう思って答えたのだが、彼女はニヤニヤしている。

「違うよ、恋バナ。なんかお姉さん、前より綺麗になってる気がするんだもん。ねぇ彼氏いるの?」

「な、なに言ってるのよ、彼氏なんて……」

 ストレートな質問にドキリとする。
 彼氏はいないが、夫婦のフリをしている好きな男性がいると言ったら、このあと食事どころではなくなりそうだ。

「そうだぞ、優奈。お姉さんをからかうんじゃない!」

「えー、つまんないなー」

 美琴と一緒に父も取り乱してくれたので、恋バナどうこうの話はうまく流れてくれた。

 バイトに行っていた弟の陽平も帰宅し、家族5人でホットプレートを囲む。

「焼肉なんていつぶりだろう! 美琴姉さん、帰ってきてくれてありがとう!」